| > このページでは、事実と意見を織り交ぜて書いています |
完全な民間安全規格を想定してみよう
PSE法は「規制緩和」「メインは民間の自主検査」とされますが、重要な部分を
経済産業省が独善的に取り仕切っていますので、本来の「民間検査」とは
かけ離れたものです。
半官半民の悪い部分が目立ち、そのためトータルで「規制強化」になっていますが、
経産省はあくまで「規制緩和」であると言い続けていて話が前に進みません。
もし「本来の」「あるべき姿の」民間安全規格があったとしたらと想定して、
現在のPSE法と比較して考えてみましょう。
望ましい民間規格を考える
ここで挙げる例はあくまで架空の民間規格です。
民間のものは政府が設計できませんので、この話を「いいな」と思っても
法律で強制するような方法で作れませんのであしからず。
[A-1 一営利企業による安全規格]
| # - 中心にあるのは、安全認証規格の作成・運営にあたる営利企業(安全認証会社) # - 安全認証会社が独自の安全認証規格を策定し、商標ロゴマークを発行する。 # - 安全マークは安全認証会社の商品である。 # # - 採用したメーカーは安全認証会社の商標ロゴのライセンスをうける。 # - メーカーは安全認証会社から製品や工場の検査と認証をうける。 # # - 保険会社は安全認証会社と共同で事故発生率などを調査する。 # - メーカーは安全ロゴを根拠として保険会社の優遇プログラムの適用をうける。 # - 安全認証会社自身が自己の安全認証プログラムについて瑕疵責任担保保険に入る。 # # - 事故がおきた場合、保険会社は、メーカーの安全ロゴと製品の内容に # 食い違いがないか調査する。その内容は安全認証会社に報告し公開される。 # # - 製品に起因する事故の際、保険会社はメーカーとユーザーの両方から # 保険金の支払いを求められる立場なので、事故の防止に役立つ真面目な調査を行う。 # # - 契約に違反する製造工程や不正な安全ロゴだった場合、民事裁判で # 安全認証会社とメーカーが争い、公の場で決着する。 # # - 自治体などが必要と感じた場合、ひとつ又は複数の民間の安全マークを採用し、 # 地域における電気製品の販売時に必須事項として定める。 # # - 政府機関、公共機関が購入する備品には、必要に応じて民間の安全マークを採用し # 製品の購入時にマークの確認を義務づける。 # # - 消費者は、信頼できる安全ロゴのついた製品を選好する。 |
[A-2 民間フォーラムによる安全規格]
| # - DVDフォーラムのように、有力メーカー・保険会社などがグループを作り # 安全規格を策定し、安全ロゴを発行する。 # # - 基本はフォーラム内の互助制度とする。安全ロゴそのものは商品ではない。 # # - フォーラムのメンバーシップは階層化され、安全規格の策定にかかわる # 中心企業と、安全規格の認証をうけるのみの下位企業にわかれる。 # # - 残りの部分はA-1と同じ |
上記のようなフル民間規格には、次のような特徴があります。
- PSE法のような省庁の縄張りからフリーである
- ほぼすべてが民事契約・民事裁判で決着がつく
- 市場によるコストの最適化が期待できる
刑事罰は行政の目の届く範囲で必要なところのみに限定されます。
自治体の役割にも注目してください。
販売時のロゴ確認の義務化などは、自治体がそれぞれ地域の実情で
判断すべきです。
私は道州制移行時の道州政府が担当すると考えています。
財政に余裕のある自治体が導入試験プログラムを行えば
実際に役立つかどうか統計的に検証できます。
国が全国一律に行うと、より優れたマークへの乗り換えが困難です。
国会直属の独立行政法人を考える
現在のPSE法が潰れたとして、その受け皿を考えるとき、
タイミングよくA-1/A-2のような安全規格があらわれればいいのですが、
なかなかそうもいかないですね。
国会が動いて何かするとしたら、A-1/A-2のような形へ将来に移行できる形を
整えておくことが考えられます。
A-1に似た、安全規格、事故調査、製造工程の検査をパッケージとして
供給できる独立行政法人を作り、将来完全民営化することが考えられます。
この場合、経済産業省の縄張りにしては絶対にいけません。
あそこはもうダメ。
前例がありませんが、国会直属が望ましいです。
消費者+メーカー+保険会社+安全規格では利害が複雑で
とても省庁の縄張りにはおけません。
類例としてアメリカの著作権裁判所がアメリカ議会の直属であることなどが
私の念頭にあります。利益配分に近い問題は国会が直接担当すべきです。
それができない場合は内閣直属、最後の策で総務省、という感じです。
本題のアメリカUL社について
え?という感じかもしれませんが(笑)
アメリカにUL社という安全規格会社があります。
非営利の民間企業です。ULマークで有名です。
実のところ、会社のスタイルから内容、ULマークまで
全部コピーできればいいんですよね。
もしできるならね。
というかUL完全互換規格にしてライセンスうけるだけで十分ですよ。
PSEなんていらない。
ULマークについてはGoogleで検索してください。
その歴史と業績は信頼できるものです。
ITmediaの小寺さんの記事
PSEから足抜けしたい業界は、JEIDA-37が受け皿になるかもという記事です。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0602/27/news009_4.html
規制品目が法律ではなく(経産省が勝手にきめた)法令で定められていることを
業界側から逆利用してPSE体制を覆すという、実に鋭い記事です。
| # ただし、ULマークのような「安全マーク」の実現は難しいですね。 # 消費者にわかりやすい別のマークを日本で策定することはできないでしょう。 # # PSEマークにこだわる経産省をつぶさない限り、民間が安全規格から # 認証、マークロゴまでパッケージで供給することは難しいですね。 # # 経産省は、外郭団体に仕事をまわしつつ、米UL社のような # パッケージ供給者「ごっこ」をしたいようですから。 # # それはそれとして、Side-AからSide-Bの3ページ目まではどうなるかと # はらはらしながら記事を読んでいました。が、Side-Bの最終ページで #「やってくれるぜ小寺さん」ということで。俺的に絶賛しときます。 |
